2014-04-30

いつか必ずやって来る 完成する瞬間まで

 さて、そろそろ4月も終わりです。前回もそうでしたが今回も、本格的な製作開始の前に一番大変そうなところを終わらせておきました。なのでちょっと終盤気を抜いて、World of Tanks やったり Hearts of Iron でエイリアンと戦ったりしてましたが、そろそろまた意識を製作に戻さないといけません。

 同人ゲーム製作における最大の障害はモチベーションの維持が困難なことだと聞きます。「モチベが続かない」ということをよく目にします。それが原因での解散も多いとか。しかし私は、いままでのところそういう理由での製作中止は経験してなかったりします。
 一つの理由は、そもそもできそうにないようなものを作ろうとしていない事でしょう。できるはずの範囲に目標を設定する事を重視してます。どこで見かけた言葉だったか「余分な物がなくなったときが完成だ」を支持しています。だから後から後へと付け足す事よりも、はじめに浮かんだ妄想からなくてもいいものを取り除く事を優先しています。
 そして二つには、自分のゲームが、自分では面白いからでしょうか。ゲームを作ってる人でも途中で「なんかこのゲームくそゲーに思えてきた」という人がいるようです。そうすると、とたんにモチベが消えてしまうらしい。私はそれがありません。いいことか悪い事か、単に親ばかなだけかもしれませんが、自分のゲームはみんな好きです。そもそも地味なゲームが好きで、地味なゲームを楽しめる性格なのが幸いしたんでしょう。

 とはいえ、じゃぁ製作は大変じゃないのかといえば、それは違う。二週間(そのうち一週間はグラフィック担当者の募集期間なので実質一週間)で作ったMirror Manですら大変でした。すでに習得していた技術でほぼ作れたものの、反射ベクトルの求め方を調べるのは何時間かかったか・・・。
 ましていままでよりも規模が大きく、さまざまな試行錯誤の末に完成させたSummonPanthersはものすごく大変でした。あのくらい簡単だろうと思えるかもしれませんが、いやまじで、あれでもかなり大変なんです。
 私は何度か歩きで出かけています。テントと寝袋背負って野宿しながら200kmとか300kmとか。寝袋が薄すぎたせいかくそ寒くて、まともに眠れもしない。それでも毎日歩くんです。
 一歩歩けば、必ず一歩近づく。そう信じて。そしてこれは事実です。確かにそのとおり。たとえ道を間違っていてもそう。いま自分が間違った道に入っている事に気づくためにも、とりあえず歩いて進んでみるしかないわけですから。
 ゲーム製作も同じこと。口を閉じてただ手を動かせ・・・いつか必ずやって来る「完成する瞬間」まで・・・! 結局はそれしかない。ちなみにこの台詞の元ねたは『リアル』をご覧ください。

 え? そんなにKIAI入れないとだめなのかって? 目的地を調整し、方角を調べ、装備も整えて、その上でそれだけのKIAIがあれば、まぁ完成しないと言うことはないでしょう。
 完成品の価値・・・? 知らない子ですね・・・。

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2014-05-12

「難しい」と「めんどくさい」の違い

 私はよくマゾゲーマーといわれます。Victoriaを輸入禁止でプレイしたり、Wizardlyをリセット禁止でプレイしたりしますし、Hearts of Iron 2のお気に入りMODはエイリアンMODです。
 SRPGなんかもお気に入りは結構難しい部類のファイアーエムブレムトラキア776とかベルウィックサーガです。
 しかし、めんどくさいのは嫌いだったりします。たとえばベルウィックサーガでは安全かつ効率的にスキルを上げようとすればHPの回復する敵を殺さないように、いつまでもちくちくと攻撃を当てたりする事になります。私はそういうプレイができないような制限をつけてプレイしました。・・・おかげで、途中で詰んでクリアできませんでしたが。

 これはゲームを製作する側としても変わってません。たとえばCampers&treasuresなんかも、めんどくさくならないように注意しました。
 倒した敵によって取れるアイテムが違ったりしてもよかったでしょう。しかしあのゲームは戦闘中に増援として敵が追加されます。どんな敵が出てくるかはやってみないとわからない。あるアイテムをドロップする敵が出てくるかもしれないからと、あえて倒せるリーダーを倒さずに残しておき、他を全滅させてからリーダーを倒すみたいな手順をとらせるのは望ましくないと思いました。
 あるいは戦闘終了後のHP回復量ももうちょっと制限することもできました。当初の予定では、HPの何割かが回復した状態で翌日の戦闘を行う事になっていました。しかしそれも、めんどくさい作業をさせる事になります。キャンプの中にいればHPが回復するわけですから、翌日の戦闘を有利に進めるためには、リーダーだけを残しておいて、キャンプでHPを回復させてからリーダーを倒すという手順をとる事になるでしょう。

 SummonPanthersの場合、各ユニットには成長要素がありませんし、主人公の成長システムもかなり単純化されてます。たとえば、各ユニットに成長要素があり、そのユニットの構成員が経験値を獲得するようにする事もできました。それぞれのユニットが敵ユニットにダメージを与えたらそれに応じて成長するとか。敵を倒した総数で、主人公の成長度合いも変化したりとか。
 でもそうなると、本来の作戦目標としては必要のない戦闘を行う方が有利になってしまいます。育てたいユニットでとどめをさせるように攻撃順を調整するとか、無駄に敵を全滅させようとしてしまうでしょう。

 私としては、プレイヤーに楽しんでほしいと思っている作業以外は、できるだけさせないようにしたいと思っています。メインの目標達成以外のことをしないといけなくなるのは(たとえそれをするかしないかが自由意志にゆだねられているとしても)めんどくさいのです。
 だから私はゲームを作るとき、ある程度漠然としたゲームシステムを思い浮かべた後、「で? それでプレイヤーは何をして楽しめばいいんだ?」ということに対する答えをはっきりさせておきます。これがあれば必要のないシステムを削るときにも、必要なシステムを追加するときにも迷わずにすみます。
 まぁ、だから私のゲームは地味なのかもしれませんが。

2014-06-13

スケールの問題

 ゲームを作るとき、いつも躓くのがこれ。
 たとえばSummonPanthersであれば1HEXの広さはどのくらいなのかとか、1ターンはどのくらいの時間なのかとか。一般的なゲームではこの辺はあいまいにされてます。ファイアーエムブレムの1スクエアの広さがどのくらいなのかとか、1ターンはどのくらいの時間なのかとか、考えるだけ無駄でしょう。
 ゲームというのはそういうあいまいなお約束を積み重ねて作るものです。ところが私は性格的に、その辺のスケールをある程度決めたくて仕方のないタイプなのです。幸いSummonPanthersの場合にはモデルとなるゲームがありましたので、それをアレンジする形ですみました。しかし、全部一から仕様を考える場合には、どうしてもそのあたりで悩んでしまいます。
 The Marshalの場合、おおよその人間の国の広さはドイツ程度。北を除く国境線の向こう側に魔王の国があると想定しました。しかしこれ、ゲームの開始時には連隊が一つずつしかないのはおかしな話です。1500人程度でドイツフランス国境線を防衛するとか正気の沙汰とは思えませんw
 それでもあのゲームの戦力単位が連隊なのは、兵科単位で部隊を編成したかったからです。スケールとしては師団の方が適切ですが、装甲師団といえども戦車だけで編成されているわけではありません。ドイツ式であれば1-2個の戦車連隊と2個程度の機械化歩兵連隊、工兵大隊や対空砲大隊などで構成されます(理想上は)。が、ゲームシステムの都合上、単一兵科で編成するようにしたいという事情がありました。そのため、編成単位は連隊に押さえたわけです。
 では、最初から3連隊程度ずつを配備しておいたらどうなるかといえば、まちがいなく煩雑なプレイを求める事になるでしょう。敵もそれだけ数が多くなり、バランスを維持するためには比率も維持する事になり、単純に言って3倍の連隊を編成してもらうデザインになります。めんどくさい!
 そういうわけで、ここで私はスケール的なおかしさには目をつぶって、プレイアビリティを優先したわけです。

 そしてまた基本的に、スケール的な違和感とプレイアビリティを天秤にかけたならば、無条件でプレイアビリティを優先すべきだと考えています。ぶっちゃけ、スケールなんて少しくらいずれてても誰も気にしません。うん。でも、私が気にしてしまう。分かってはいるけど気になっちゃう系です。

 ゲームを作るにあたって、1日にできる事の量とか、1マスに存在できる物体の量とか、あるパラメーターが1違う事の差とかそこまでまじめに考えるものではありません。考えすぎると、私みたいに無駄な労力を使うことになりますから注意してください。
 現在作ってるゲームはけっこう気楽な雰囲気なので、その辺のリアリティにはこだわらずにすんでますので、いままでよりは作るの楽です。

2014-06-23

増援

 SLGでは、途中で敵の増援部隊が湧き出る事があります。特に、SRPGでは頻繁にそういう場面を見かけるでしょう。
 しかし、私をはじめとして、そういうのが嫌いな人というのがいます。SPWAWなんかでもそうですが、突然何の前触れもなく目の前のHEX、もしくはすでに自軍ユニットのいるHEXから敵がわらわらと湧き出したりすると、やっぱりゲームシステムの限界だなと感じてしまうわけです。
 こういうのが一度でも発生すると、奇襲を受けないためには、すべてのターン、すべてのHEXに対して警戒心を持たねばならなくなり、それではゲームになりません。ファイアーエムブレムなんかだと自軍ユニットが押さえていない砦は常に警戒対象で、それ以外のスクエアも警戒しないと危険ですが、いきなり大軍が出てくるイベントが発生してそのまますぐに攻撃を受けるのは、初見ノーリセットプレイ時にはどうにもなりません。やっぱりSRPGというのはやり直しが前提のバランスだと感じます。
 私自身がSPWAWで理不尽さを感じていたため、SummonPanthersで敵の増援が出現する際にはマップの端から出現させる事と、増援が出現しうる状況である事を明らかにするように心がけました。突発的な増援イベントもあるため、後者については例外もありますが。

 SRPGの場合は物語の都合というものが優先されたりするのである程度仕方ないんですが、純粋に作戦を楽しむゲームの場合は、原則としてゲームが開始した後は場に手を入れてはいけないと考えています。まして、プレイヤーが予測し得ないような操作をするのは、作戦を楽しむという点では邪魔でしかない。現実的に予想外の事は起きるものだという考え方もありますが、事前に探知し得ないような超常現象として伏兵が出現する時点で現実的ではありません。

 基本的に、考える事を楽しむゲームを作る場合には、考えても仕方のない要素は排除した方がよいと思います。がんばって調べれば条件が分かるようなものもあるかもしれませんが、初めから条件がわかっている場合の方が、考える事を楽しむことはしやすいはずです。たとえば、俺の屍を越えていけの敵大将が逃走してしまう条件は、説明書で明記されています。条件が分かっているからこそ、そうならないようにはどうすればいいかを考えながら戦えるわけです。
 そういう条件を調べる過程も楽しんでほしいというゲームもあるかもしれません。それはそれ。それは考える事を楽しんでもらう事を第一の目標においたゲームではないわけですから、扱いが違うのは仕方ない。

2014-07-27

今なら書ける!

 もうほんと連日暑くて、朝から晩まで暑くて、全然作業が進んでませんでした。いやまぁ、ふとスチームのセールって今何やってるのかなって見に行ったらSkyrimがセール中だったので衝動買いしてしまったというのもあるにはあるんですが。
 いまなんとか暑さを感じない状態なので、いまのうちに記事を書いてしまいましょう。

 さて、今回はSummonPanthersについて。動画でなんでファンタジーなのかというコメントがついてますので、それについて。

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