2015-04-20

ゲーム製作のお誘いについて

 ごくたまになのですが、一緒にゲームを作りませんかというお誘いを受けることがあります。昨日も一つそういうお誘いをいただきまして、これ自体は大変光栄な事ではあるのですが、少々問題があります。
 これにつきまして、私の立場をあらかじめ明確にしておいた方がいいような気がしてきましたので、ちょっと長々と書いておきたいと思います。

 まず、私は別な方の企画に参加する事は問題ないと考えています。機会があればプログラマーとして参加してみようとは、以前から考えていた事です。ですので、プログラマーとして私を誘ってみようということ自体はまったく問題ありません。

 もちろん、お誘いいただいたとしても、必ずしも参加するとは限りませんし、この辺りは皆さん当然のこととしてお分かりいただけると思います。しかし、参加するかしないかを判断するためには、それなりの材料が必要なのです。
 何を作るのか。たぶん私に声をかけるくらいですから、きっとそれはゲームなんでしょう。では、どういうゲームを作るのか。そこが問題です。
「ゲームを作ろう」ではどういうゲームかさっぱり分かりませんし
「SLGを作ろう」でも、どんなSLGなのかがわかりません。
「○○みたいなSLGをつくろう」だとしても、その○○とどう違うのか不明ですし、まったく同じだとしたら作る意味がないし、そもそも違法です。
 作りたいのはどんなゲームなのか。何が特徴で、どんなシステムで、何をプレイヤーに楽しんでもらうつもりなのか、そのためにはどういうものがどのくらい必要なのか、そういった具体的な見積もりがないと、参加をするかしないかの判断すらも下せません。
 別に、私を誘う時点でその具体的な内容を説明しろとは言いません。参加するかどうかも分からない相手に、いろんなアイデアを明かす事は躊躇われる事だと思います。だから私に解説はしなくてもいいから、ご自分の中では展望を持っていてほしいのです。展望があってすらもそのとおりには行かない事が多いものでして、展望すらなければなおさらです。地図があっても道に迷うことはありますが、なかったら迷って当たり前でしょう。

 人によっては、ゲームの仕様をあまり深く決めておいてしまっては、一緒に作る人の楽しみがなくなってしまうことを懸念するかもしれません。ゲームのアイデアを出し合う時期というのはゲーム製作の一番楽しい時期と考えられているようです。
 しかし、少なくとも私に対してであれば、そういう遠慮は必要ありません。私は、ゲームデザインは一人でするべきものだと信じています。すくなくとも同人ゲームの場合は、アイデアを出し合うやり方では完成にこぎつける事自体が難しすぎると実感しています。
 私がプログラマーとして参加する場合、プログラミング以外のことには口を挟むつもりはありません。私はプログラミングの担当者として、プログラムだけします。
 その方がよいゲームが出来ると信じているのです。フランケンシュタインのようにアイデアのつぎはぎにされたゲームより、一つの意思の下に整合の取れたゲームの方がよいゲームになると。
 私は「ゲームを製作したい」のであって、「ゲーム製作をしたい」のではないのです。

 私がSummonPanthersの共同製作者を募集したとき、ゲームデザインについては2ヶ月くらい悩んだあとでした。一つ一つのパラメーターや計算式はまったく考えてもいませんでしたが、プレイヤーは何ができて、ゲームは何をプレイヤーに表示して、何を受け付けるのか、プレイヤーは何を悩み、何を選択し、どうすれば成功で、どうなったら失敗なのか。何がそのゲームの特徴で、ほかの同種のゲームと何が違うのか。
 そういったことはだいたい考え終えていました。製作途中に修正したものもありますが、大筋では想定どおりに進みました。

 もちろん、具体的な仕様はプログラマーの能力に左右されます。プログラマーの能力によっては、実装できないかもしれません。だから、さきにプログラマーを決めてきたいという都合もあるでしょう。しかしすみませんが、その順序では私はたぶん参加できません。
 私もまた、グラフィック部門の担当者が不在である可能性を念頭において、フリー素材やパブリックドメインだけでも作れそうな範囲でゲームをデザインしています。
 そのあたりの不便さは同人活動の宿命だと思います。

 そういうわけですので、私に声をかけてみる前に、ゲームのデザインをあらかたすませてしまい、そのゲームを作るのに私が適任だと思えた時にお誘いください。
 実際のところ私に何が出来るのかは、私が作ったゲームや、このブログのプログラミングの記事なんかを参考にしていただければと思います。

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